正社員の仕事をアウトソーシングすることの長所と短所

企業が正社員を採用することは、事業の拡大に欠かせない反面、大きなリスクを伴います。正社員は期間の定めのない労働契約であり、仕事量の少なさを理由に解雇することは許されません。能力不足としても、客観的に証明するデータが存在しないケースが殆どで、無理に雇い止めをするとトラブルになる可能性があります。
従業員数の多い会社なら問題はありませんが、全従業員が数十人の中小企業などは、正社員一人の存在が会社全体の人件費に影響を及ぼします。計画通りに売り上げが伸びれば良いですが、そうならなかった時に正社員の賃金に見合った仕事量がなくなる、という事態にもなりかねません。
そこで、採用リスクを回避する手段として、業務のアウトソーシングがあります。本来なら正社員を採用して行う仕事を細分化し、限られた業務だけを行う派遣スタッフを用いることです。派遣スタッフとは直接労働契約を結ばないことから、業務量が減ったときにはトラブルなく契約を解除できるという長所があります。また、業務の範囲を限定していることからその仕事のスペシャリストが多く、人材育成に時間がかからないということも大きな長所です。
しかし、アウトソーシングは必要な時だけ行う特性から、自社で人材を育成しないことが長期的に見たときに経営の不安要素になります。派遣スタッフ自身も正社員ほどの意識を持っていないことが多く、条件次第で職場を変えることに抵抗を持っていません。優秀な派遣スタッフは他社に引き抜かれることが多く発生します。そのためアウトソーシングをし過ぎると人材面での会社の安定性を損なうデメリットがあります。
アウトソーシングは人件費抑制に効果がある方法ですので、利用できる業務を長期的な視野で判断し、上手に利用しましょう。